【事例あり】介護職の優秀な人が持っているスキルとは?新人が身につけるべき課題解決力を解説!
介護現場で「あの人はいつも利用者さんのことをよく見ている」「問題が起きる前に気づいてくれる」と評価されるスタッフさんはいませんか?そんな介護職員に共通するのが「課題解決力」です。
新人のうちは目の前の業務をこなすことで精一杯になりがちですが、利用者さんの小さな変化に気づき、問題に対する現実的な解決策を考える力を身につけることで、信頼される介護職員へと成長できます。
本記事では、新人介護士のカイゴさんと、おせっかい猫のうめが、課題解決力を高める3つのスキルを実践的に解説します。
今回は新人介護士のカイゴさんと先輩の猫・うめが、業務の優先順位を判断するコツについて会話形式で解説していきます。
1. 利用者の小さな変化に気付く観察力
ある日、カイゴさんは利用者さんが転倒しそうになる場面に遭遇し、寸前のところで支えました。ヒヤリハットの原因を先輩と一緒に確認すると、最近使い始めた靴が足に合っておらず、脱げやすくなっていたことが判明しました。
NG:違和感をそのまま放置してしまう

事前に確認項目を意識しておくことで、違和感の原因に気付けるようになりますよ!
OK:チェック項目をもとに違和感の原因を探る

翌日、カイゴさんは先輩から何か違和感があったときに確認すべき項目を教えてもらい、次の項目を意識しながら業務を進めていました。
- 顔色・表情に変化がないか
- 歩行状態に変化がないか
- 周囲の環境に問題はないか
- 声かけへの反応に変化がないか
その後、手すりを使いながら廊下を歩いている利用者さんを見かけました。
カイゴさんは、利用者さんにすぐに声をかけました。
すると、利用者さんは「新しい靴が合わなくて歩きにくいんだよね。」とおっしゃいました。カイゴさんはすぐに利用者さんのその様子を先輩に共有し、別の靴を用意できるかどうか相談しました。
また、記録にも残してチーム全体に共有できるようにしました。その結果、転倒が起こる前に対策することができました。
POINT
- 事前にチェック項目を確認し、それをもとに違和感の原因を探る
- 小さな変化でも記録に残し、チーム全体で情報共有する
- 小さな違和感でも放置せず、必ず相談や対処をする
2. 訴えの奥にある「本当の課題」を見つける質問力
ある日、カイゴさんが担当している利用者さんから「部屋が寒い」という訴えがありました。
暖房を強くしても利用者さんの「寒い」という訴えは続き、カイゴさんはどう対応してよいかわからなくなってしまいました。
NG:言われたことをそのまま受け取ってしまう

言葉をそのまま受け取るのではなく、5W1Hの質問を通じて相手が本当に伝えたいことを深く探ってみましょう。
OK:5W1Hの質問で深堀りして本当の問題を探る

カイゴさんは利用者さんに改めて話を聞きに行きました。
質問を用いて深掘りしたおかげで、カイゴさんは利用者さんが「寒さ」を感じる本当の理由にたどり着くことが出来ました。
POINT
- 表面的な訴えをそのまま受け取らず質問を通じて深堀りする
- 5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を活用する
3. 問題を正しく理解し対策を行う実行力
ある日の会議で、利用者さんの運動不足による筋力低下が問題となっていました。
このように提案をしたカイゴさんでしたが、「積極的にアイデアを出してくれてありがとう。外出レクリエーションというアイデアは素晴らしいんだけど、隣町までは片道1時間かかるから、この利用者さんの体力的には難しいかもしれないね…。」と先輩から指摘が入りました。
利用者さんの体力や身体状況を考慮していなかったため、実現できずに終わってしまいました。
NG:前提をふまえずに実現不可能な解決策を提案する

OK:前提を意識した上で一番効果的な方法を選ぶ

カイゴさんはレクリエーションに割くことができる時間や人員等を先輩に確認してから、改めて運動不足を解消する方法を考えました。
POINT
- 理想論ではなく、人員・時間・予算などの前提を考慮してアイデアを考える
- 効果測定の仕組みを作り、定期的に見直しと調整を行う
【まとめ】3つの課題解決スキルで信頼される職員にステップアップ

小さな変化に気づき、本当の問題を見抜き、現実的な解決策を提案できる人は、介護現場だけなく、どの業界でも重宝される存在です。今日学んだ3つのスキルを日々の業務で実践することで、将来的にどこでも活躍できる人材に成長できるでしょう。