どのぐらいの年齢で、みんな仕事を辞めているの!?
高齢期を向かえた世代の人々はどのように労働し、どのぐらいの年齢で第一線から退くのでしょうか。
男性の場合は60歳をきっかけに労働力率が大きく下がります。59歳までは93.6%の労働率だったものが、60歳を境に低下し70.3%、46.7%、21.1%と急激に下がっていきます。
年を重ねると共に働く人が少なくなり60歳まで働いていたほとんどの男性が、会社の定年などによってリタイアをしています
また女性では、40代後半で7割以上の人が働いています。
50代後半では働いている方は60.0%に低下。
そして60代の前半には40.1%の就業率となり、後半になると24.0%となります。
女性は男性に比べて仕事を引退する年齢がやや早く、50代後半~60代ごろに仕事を辞めていく、というのが内閣府の調査によって明らかになりました。

高齢者の労働を国際間で比較した場合、60代前半においては諸外国よりも労働率が高いことがわかっています。
男性の場合でも女性の場合でも、高齢者の労働参画率がとても高くなっています。
60歳をピークに労働の一線から退くのは、企業の定年が60歳に設定されており、また自営業の経営者もそれを指標にして働いているからだと考えられます。
なぜ働く?高齢者就業の実態
では、高齢者はなぜ定年を超えても働くのでしょうか。「やりがい」「ボケ防止」「社会とのつながりを持つため」など、現役世代とは違った角度でみてしまいがちですが、実際は「経済上の理由」というのが一番になっています。
およそ71.8%の人が、「自分と家族の生活を維持するため」「生活水準を上げるため」「その他の経済上の理由」などの理由を挙げています。60代後半になっても、60.3%の方が経済上の理由で働くと回答しています。

やはり、年金支給開始年齢が65歳になってしまったことが背景にあるのではないでしょうか。
60歳で会社を引退したタイミングで、退職金によって住宅ローンの債務を一括返済し、年金受給までの生活費を労働によって補う、というパターンが多いのではないかと考えられます。
もちろん、中小企業に勤めており退職金がわずかな場合もありますので、その場合も経済的事情によって働くという選択肢を取ることになってきます。
経済的事情で働く高齢者は時代の流れとともに増えています。 不景気が進み、特に企業において40代50代の給与カットやリストラが進行、現役時代に予定通りの資産を作ることができなかった、というケースが今後も増えてくると考えられます。
これまでの時代は、高齢者は長男・長女一家と同居したり、農家を続けたりして老後を過ごしてきました。
しかし高度経済成長とともに核家族化が進み、高齢者の単身世帯、あるいは夫婦ふたりだけの世帯も増えてきました。
お見合い結婚の風習も少なくなり自由恋愛が増えたことで、生涯独身を貫く男女も増加しました。
そして、離婚率の上昇とともに、経済的に苦しくなる高齢者も増加するものと考えられます。
そのため、働く理由が「いきがい」や「社会との接点づくり」などの理由よりも生活維持のため、といった切実な理由が多いのです。
約6割が非正規雇用を希望
高齢者の場合、50代後半ではまだ気力体力ともに充実しているため、正社員での就業を望む人が多くなっています。
60代になってくると57.8%、約6割の人がパートやアルバイトなどの非正規雇用を希望しています。
正社員に比べて収入面では劣りますが、精神的・身体的に年を重ねるにつれ、衰えをみせる身体への負担としてはそれに見合ったものになっているのです。

加齢とともに身体面での衰えも実感し、また65歳になれば年金支給が始まるのでフルタイムでしっかり働かなくとも生活費の足しになれば、という考えを多くの人がしているようです。
高齢者の生活状況、収入面では?
政府統計の国民生活基礎調査では、高齢者が中心となっている世帯の平均所得は約309万円となっています。子供のいる世帯の平均年収が673万円、全体平均で見ると537万円、子供のいる世帯に比べて約半分の収入しかない、ということになります。
高齢者になると、出歩く機会が少なくなるので出費が抑えられる反面、持病等で出費がかさむ、ということも起こります。
同じく国民生活基礎調査は、高齢者世帯の「生活意識」も調査しています。
| 大変苦しい(27.1%) | |
| やや苦しい(31.7%) | |
| 普通(38.0%) | |
| ややゆとりがある(2.8%) | |
| 大変ゆとりがある(0.4%) |
「大変苦しい」と答えた人が27.1%、「やや苦しい」と答えた人が31.7%となっています。
やはり、子育てが終わった世代とはいえ、300万円前後の収入で暮らしていくには、生活レベルを下げなければならず、相対的に苦しいと感じる人が増えるのではないでしょうか。
生活が苦しい老人世帯が増えている!?
国の調査では、高齢者も生活が苦しいと考えながら働いているのがわかります。パートやアルバイトは時給換算となり、持病で休んでは収入が大幅に減ってしまいます。持病を持ちながら体にムチ打って働いている人も多いようです。
「生活が苦しい」とはっきり意識し、体力の低下を実感しながらも仕事をしている高齢者へ、早急に年齢ベースの「職務給」から、職務の内容をベースとした「職能給」へ切り替えるべきでしょう。
そうすれば現役時代より積み重ねてきたスキルを無駄にせず、新しい職場でもその腕を活かして働くことができ、高い報酬も得ることができます。
また空前の人手不足によって都心部では特に時給が上昇する傾向にあります。宅配便の仕分けやコンビニのレジなど、高齢者でも勤務することができる比較的負担の少ない仕事を選び、時給がさらに上がれば暮らし向きも少しは楽になるのではないでしょうか。
人生が100年となる時代です。今後も働き続ける高齢者は増えることでしょう。現役世代も引退はないものと考え、生涯をかけてスキルアップ、そして少しでも楽しく感じられる仕事に出会えるよう努力を続けなければなりません。
年金支給額の増額へ大きな期待ができない今、自力で世の中を生きていく術が求められているのです。
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2020年9月7日 制定