3組に1組が離婚してしまう日本の離婚事情
若年人口の減少が著しい現代日本、婚姻数も減少傾向にあります。
厚生労働省の人口動態調査は、2013年に66万613組だった婚姻数が2014年の段階で年間64万3,740組と1万5000組以上減少していることを明らかにしました。
人口千人に対しての婚姻率を5.1%はとなっており、前年が5.3%だったことを踏まえるとやはり下回っています。

一方の離婚件数は年間22万2,104組となっており、ことらも一年間でおよそ9,000組の減少となっています。人口千人に対しての割合は1.77%なので、前年の1.84%より低下しているという状態です。
親族の介護が原因で離婚してしまう介護離婚
とはいえ、3組に1組が離婚するという現状、介護を行う世代にも他人事ではありません。
「介護離婚」とは、親の介護などを通じて夫婦間の関係がギクシャクし、介護と家庭内のストレスに耐えられなくなることで離婚に至ること。
今の時代に介護をしているのは50代・60代が多いですが、その場合はまだまだ「親の介護は妻の役目」という認識も強く、感謝の言葉やねぎらいが足りないとして妻が出ていってしまうというパターンもあるようです。

離婚のトータルが微減している反面、70歳以上の離婚件数が増えているというデータがあります。
2000年に70歳以上で離婚した男性は1,436人だったのが、2014年には3,435人へと倍増しています。
女性は2000年に695人、2014年には1,946人とこちらも倍以上増えています。
70歳というと、平均寿命までまだ10年以上あります。
その時間を我慢して過ごすよりは、少しでも自分の自由になる生活を求めて離婚するということが理由としてあるようです。
姻族の介護をしなくて済む死後離婚とは
一般的に離婚は両者の意思に基づいて生きているうちにするものですが、“死後離婚”というものもあります。
結婚すると、相手の家族と姻族関係になり、親戚が増えます。
配偶者が亡くなったとしても基本的に戸籍は一緒のままで、名字も変わらず、姻族関係も元のままです。
つまりは配偶者がもういないのに、その姻族の面倒を見なければならない可能性があるのです。
そうした面倒事を避けるために姻族関係終了届を出すのが死後離婚です。
死後離婚を行うと、配偶者の両親や兄弟姉妹とは親戚ではなくなります。
姻族の了承を得ることや、遺産や年金を返還することも必要ありません。
自分の意思で役所に届け出を出すと、その日から姻族関係はなくなり、法的なお世話の義務を負うことはなくなります。
死後離婚のメリット・デメリット
死後離婚のメリットは、上述のように扶養義務がなくなることや、金銭的なトラブル等を避けることができる点にあります。義理家族のお墓に入る必要もなく介護も不要、結婚前の他人に戻るのです。
反対にデメリットはほとんどありません。
あえていうならば、こちらから意識的に絶縁状とも取れるものを突きつけることになるので、姻族との関係がギクシャクします。
また、子供がいる場合は、会ったときに気まずいなどの心理的な影響が考えられます。
そして、一度届け出をすると元に戻すことができません。
10年で1.57倍に増えている死後離婚の背景

この死後離婚、ここ10年で1.57倍に増えていることが法務省の調査で明らかとなっており、2015年度には2,783件の姻族関係終了届が出されています。
届け出には期限がなく、配偶者が亡くなったあとであればいつでも出すことができます。
また自治体で用紙に必要事項を記入するだけで行うことができ、姻族側に通知されることもないのです。
死後離婚が起きる背景1:姻族の介護
死後離婚はなぜ起きるのでしょうか。
渋谷区役所によると、死後離婚の届け出は年間約14件、すべて女性の手によって提出されたものだということです。
やはり世代がら「介護は嫁がするもの」という意識が強く、介護ストレスや人間関係に疲弊して、もう関わりたくないという思いが強くなってしまったのではないでしょうか。
寿命が伸びつづける日本、配偶者を亡くしてもその親がまだ生きているケースなどもあります。
そうしたことから自由になるための死後離婚という選択。死後離婚に関心を持つ世代は50代前後が多く、実際に行う人は60代~70代の女性が多いとされます。
これぐらいの年齢になると年上の夫との結婚が多く、先に配偶者を亡くすパターンが多いのです。死後離婚が起きる背景2:姻族との人間関係や経済事情
また、生前からすでに夫とは関係がうまくなく、遺産や遺族年金等の受取のために亡くなるのを待っていたという経済関係の問題やその家族と仲が良くなかったという人間関係の問題、姻族とのつながりを解消したいという精神的な問題などが死後離婚の理由として挙げられます。
基本的には熟年離婚を考える歳に挙げられるのと同様の理由が多くを占めているようです。
配偶者を亡くすぐらいの世代の方々、つまり今の60代・70代になると、恋愛結婚と見合い結婚が半々ぐらいの世代です。
離婚への風当たりが強かったり、経済的に自立できないなどの事情で婚姻関係にストレスを抱えていても離婚ができずにいたという背景があるようです。それが配偶者の死後、ある種「解放されたい」という思いが死後離婚へと向かわせるという事情もあるようです。死後離婚は悪いこと?
現代は生涯独身の人が増えると同時に、離婚や再婚も増えました。
この人だと思って結婚したとしても、一緒に住んでみるとイメージしていた生活とは相違が生まれることがあるかもしれません。
どうしてもダメだと思ったら、やり直しができる間に離婚するということも選択肢の内の1つとして残っています。
そして、結婚生活がうまくいっていたとしても、時間が経過して壮年期になり、親の介護するタイミングとなったときに、思わぬ問題が表面化。
関係がギクシャクしたりすることは十分に考えられることです。
実の親の介護でも大変なのに、義理の親の介護となればなおさらと思ってしまうのは仕方のないことかもしれません。
介護自滅をしない1つの選択肢
血縁関係がない義理の親の介護が心身ともにハードだということは想像に難くないと思います。
結婚相手と死別したとき、姻族と関係を解消するために使うのが姻族関係終了届ですが、一般的に、関係ないといって義父・義母を介護したくないという理由で離婚に至るのはあまり良いことではないのかもしれません。
しかし、介護というものは本当に大変なものです。
その苦しさは、経験した人にしかわからないのも事実です。
「介護自滅」という言葉がありますが、これは親の介護を頑張りすぎて自分自身が倒れてしまうというものです。
もっとも大切なのは、まずなにより自身における心身の健康ではないでしょうか。
そうした健康を保つためにも、また、自分自身の身を守るためにも、死後離婚という選択肢はもっと知られてもいいのかもしれません。あくまで自由を得る選択肢のひとつとして知っておくと良いでしょう。
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2020年9月7日 制定