喫煙する高齢者に忍び寄る、認知症の暗い影…
10~20年前までは、ほとんどの人がタバコを吸っていたと思いますが、最近では喫煙スペースの削減や、タバコの値上げの影響でやめる人が増えてきたのか、昔よりも喫煙者を見かけることは少なくなりました。
では、今の中高年や高齢者のタバコ事情はどうなっているのでしょうか?下のグラフを御覧ください。

2016年の日本たばこ産業(JT)調べでは、全国で19.3%の喫煙率。前年の2015年が19.9%でしたから、全体の喫煙率は減少傾向にあります。
性別で見ると、男性が2015年に31.0%、2016年に29.7%でマイナス1.3ポイントに対し、女性はそれぞれ9.6%、9.7%でマ+0.1ポイントでした。
女性の喫煙率がわずかに増えていますが、近年の男女喫煙率はあまり変化がないと言っていいでしょう。
また、喫煙数を年代別に分けた場合ですが、男女ともに20代から40代まで上昇していき、それを堺にして下降していきます。
40代以降になると男女ともに喫煙率が下がるのは、心疾患などの病気を患ってしまい、病院で禁煙を勧められたことが原因ではないかと考えられます。
ところで、男性と女性の喫煙率の差が極端なのは、文化的な背景があるものと考えられます。一昔前まで、男性がタバコを吸うことはコミュニケーションの手段として浸透しており、それが高い喫煙率を招いていました。それを示しているのがこちらのグラフです。

これを見ると、古い年代になればなるほど男性の喫煙率は上昇していることがわかると思います。最も古いデータである1965年、男性の喫煙率は80%を超えていました。その一方で、最新データである2017年は平均すると28%程度にまで落ち込んでいます。
これは先程軽く触れましたが、喫煙スペースが削減やタバコの値上げなどで、現代日本の生活環境が禁煙にシフトしてきたからだと言えるでしょう。
また、タバコの正しい知識を学校の授業やCMで知り、タバコ=有害であることが世間に広く周知されてきたことも大きな影響を与えているでしょう。
うつ病・糖尿病・がん、喫煙のリスクについておさらい
喫煙にリスクがあることは、もはや周知の事実でしょうか。
厚生労働省によると、日本人の死因のうち、80歳~84歳の慢性閉塞性肺疾患の死亡率は3.2%、同じく85歳~89歳の慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎)の死亡率も3.2%となっています。
どちらも男性の死亡原因として5位となっていますが、これらは喫煙が原因だということが指摘されているのです。
ほかにも、タバコは人体にさまざまな健康リスクを引き起こします。
一例としては、一見ストレス解消にみえる喫煙、実は反対にストレスを引き起こすことでうつ病になるリスクが高まるという事実が挙げられます。
また女性の場合、妊娠や出産に良くない影響を及ぼすことでも考えられるでしょう。
また、糖尿病も深刻です。
喫煙によってインスリンがうまく働かず糖尿病が起こりやすくなり、失明などの重篤な症状への移行も早まってしまいます。
タバコを1日1箱吸い、それを25年間続けると、糖尿病リスクが1.6倍高まることがわかっています。
逆に1年間禁煙すれば、糖尿病リスクは非喫煙者と同じ程度まで下がるのです。
そして何よりも深刻なのが、がん。
咽頭がん、食道がんなど、多くのがんの影響は喫煙にあると指摘されているのです。
中でも咽頭がんは、他のがんと比べて著しく高い死亡率を示しています。
非喫煙者を1.0とした場合の喫煙者の死亡率の割合、咽頭がんはなんと32.5%と群を抜いています。
それに肺がんの4.5%や肝臓がんの3.1%が続いている状況となっています。
。
喫煙者の認知症リスクは、非喫煙者の2倍!
また、タバコは脳の働きを衰えさせ、動脈硬化や認知症などのきっかけになるのではないかと指摘されています。
九州大学は平均年齢72歳の高齢者712人を追跡調査し、15年後に調べてみたところ、202人が認知症となり、喫煙者における認知症発症割合は2倍だったことを明らかにしました。

これは高齢者の喫煙における大きなリスクといえます。一方で同調査では、非喫煙者と過去に喫煙していた人の間には差がないこともわかりました。つまり、タバコを止めると認知症発症リスクは下がるということなのです。
現在、認知症患者は高齢者の増加とともに増え続けています。
厚労省によると、2012年の段階において認知症患者は462万人と、高齢者7人のうち1人が認知症を発症。
また、今から8年後の2025年には、高齢者5人に1人が認知症患者になるとされており、その後も増え続けるであろうことが予測されています。
ところで、喫煙の問題の1つとして受動喫煙があります。
受動喫煙とはタバコの煙を近くにいる人が吸い、健康に被害がでること。
タバコの煙は化学物質を4000種類以上含んでいて、人体に有害なものだけでも250種類ほどあります。
さらに、発がん性が懸念されているものはなんと50種類もあるのです。
特に子供の成長に対しては悪影響で、事態を重く見た厚労省は健康増進法改正案を発表しました。学校や医療施設での禁煙やレストランなどでの原則禁煙、公共交通機関での原則禁煙を設けるに至ったほどです。
政府は国際イベントに向け、タバコを厳しく取り締まる構え
また、喫煙してはいけない場所でタバコを吸った本人には原則30万円、施設の管理者には、最大50万円の罰金が科されることになっています。
2019年のラグビーワールドカップや2020年の東京オリンピックなどに備えて、日本のタバコ状況を一掃しようという考えです。
データによると、喫煙者の総数は年々減少する傾向にはあります。しかし、高齢者の場合は深刻な病気につながるリスクが発表されているにも関わらず、喫煙率が高いというのは特に深刻な問題でなのです。
みんなのコメント
ニックネームをご登録いただければニックネームの表示になります。
投稿を行った場合、
ガイドラインに同意したものとみなします。
みんなのコメント 16件
投稿ガイドライン
コミュニティおよびコメント欄は、コミュニティや記事を介してユーザーが自分の意見を述べたり、ユーザー同士で議論することで、見識を深めることを目的としています。トピックスやコメントは誰でも自由に投稿・閲覧することができますが、ルールや目的に沿わない投稿については削除される場合もあります。利用目的をよく理解し、ルールを守ってご活用ください。
書き込まれたコメントは当社の判断により、違法行為につながる投稿や公序良俗に反する投稿、差別や人権侵害などを助長する投稿については即座に排除されたり、表示を保留されたりすることがあります。また、いわゆる「荒らし」に相当すると判断された投稿についても削除される場合があります。なお、コメントシステムの仕様や機能は、ユーザーに事前に通知することなく、裁量により変更されたり、中断または停止されることがあります。なお、削除理由については当社は開示する義務を一切負いません。
ユーザーが投稿したコメントに関する著作権は、投稿を行ったユーザーに帰属します。なお、コメントが投稿されたことをもって、ユーザーは当社に対して、投稿したコメントを当社が日本の国内外で無償かつ非独占的に利用する権利を期限の定めなく許諾(第三者へ許諾する権利を含みます)することに同意されたものとします。また、ユーザーは、当社および当社の指定する第三者に対し、投稿したコメントについて著作者人格権を行使しないことに同意されたものとします。
当社が必要と判断した場合には、ユーザーの承諾なしに本ガイドラインを変更することができるものとします。
以下のメールアドレスにお問い合わせください。
info@minnanokaigo.com
当社はユーザー間もしくはユーザーと第三者間とのトラブル、およびその他の損害について一切の責任を負いません。
2020年9月7日 制定