厚労省、生涯未婚率についてのデータを公表
生涯未婚率が増加の一途。男性は4人に1人が結婚できない!?
男性の23.4%、女性の14.1%が生涯未婚――。
これは昨年、厚生労働省管轄の国立社会保障・人口問題研究所の発表した2015年時点における生涯未婚率のデータです。
生涯未婚率は、50歳時点での未婚率であり、45歳から50歳の未婚率の平均より算出されたものになります。

グラフを見ると、男性の生涯未婚率は40年前と比べると10倍ほども伸びていて、今後もこの数字は上昇すると言われています。
男女別にわけると20年以内に男性のうち30%、女性は23%が生涯独身者との推計が。
本来ならば、危惧すべきことなのですが、今、独身であることに満足している高齢者が多いのです。
6月、「株式会社 鎌倉新書」が独身である40歳以上の男女に、死生観についてアンケートをしたところ、52.5%の人が「現在の生活に満足していて、来世も配偶者はなしで良い」と回答したとのこと。
生涯未婚率の上昇と、来世でも独身を望む人が増加したことで、日本の将来は生涯独身者で溢れる「超ソロ社会」が到来するのではないか、と一部の有識者は考えているのです。
在宅で看取ってくれる人がいないと看取り難民になる?
もし、この超ソロ社会が現実になると「看取り難民」が増加するのではないか、と有識者は言及しています。看取り難民とは、最後のときを迎える場所を自分で選べない人のことを指します。
では、なぜ看取り難民は増加しているのでしょうか?その答えは、厚労省の施策にあります。現在、厚労省は医療介護費を圧迫している病床数の削減を狙って、「地域包括ケアシステム」を旗印に、在宅介護の比率を上げようとしています。
その結果、病院に入院できない高齢者が増加し、在宅で治療・介護を受けなければいけない高齢者が増加します。このとき、生涯独身者であったり、在宅での治療・介護を受けられないとなると、看取り難民となり、最終的には孤独死してしまうパターンが多いのです。
看取られること事態が難しくなる将来の日本
10年後には47万人が看取られて死ぬことができない…
現在、我が国では、75%が病院で亡くなると言われています。
しかし、先ほども述べた通り、これまでごく当たり前と言われていた、病院で最期を迎えることは難しくなっているのです。
現状、激増する高齢者数によって、病院のベッドのみでは間に合わなくなっており、国庫は療養・介護費による圧迫を受けています。

そこで政府は、「在宅医療」「在宅介護」を奨励する政策に切り替えたわけですが、こちらも順風満帆とは言えない状況となっています。
なぜなら、高齢者が自分の家で最期を迎えたいと思っても、在宅医や訪問看護師や訪問介護ヘルパーが足りないという状況が生じているからです。
つまり、病院でも自宅でも、看取られて死ぬことができない状況が、ごく当たり前のこととして私たちの前に生起しているわけで、厚生労働省も「約47万人が、2030年には 看取り難民になる」可能性があることを示唆しています。
多死社会となり「死」に対して業務的に
こうした状況の中で必然的に出て来るのが、「死の尊厳」というテーマですが、現在、年間4万人もの人たちが、独身という理由だけではなく、貧困や人間関係というさまざまな理由から、孤独死した遺体が発見されています。
多死社会などとも呼ばれるこうした現代社会においては、場合によって「死体処理」業務の側面が重視されることがなります。
たとえば、先般、葬儀社が乳児の遺体の頭部をビニールのレジ袋に収納していたことで騒ぎになった事件がありましたが、こうした事件は、これからは単なる事例として処理され、珍しくなくなるということです。
ましてや、超高齢社会の今、高齢者がこうなる可能性も十分にあります。
2013年に社会補償制度改革国民会議において、病院から在宅へという提言がなされたものの、これは医療介護費を抑えるための政策と言われています。
地域包括ケアが成立していない状態で病床数を削るということは、地域社会に多数の高齢者が、病院を追い出されたということ、と言い換えても良いわけです。
厚労省と日本看護協会は、機能強化型訪問看護ステーション(24時間対応や重症者への訪問など、訪問看護に期待されている役割を担うもの)を増設することを促進していますが、医療介護とは無関係の分野に人材を広く求めたこの「窮余(きゅうよ)の一策」は結局、政策としては場当たり的なものに終わるのではないかと多くの識者が指摘しています。
看取り難民の増加は孤独死者数の増加につながる
孤独死者数、約10年で2倍以上に
死因が不明の急性死、あるいは事故による死亡者の検案や解剖を行う東京都監察医務院の公表する統計資料によると、高齢の独居者が自宅で死亡した数は、2015年に3,127人。
グラフを見ると、2003年は1,451人ですから、倍以上に増えていることになるわけです。

独居者が一人で死亡する事態は、状況によっては孤独死とも扱われます。
孤独死とは、独居の人が人知れず一人で死ぬことをいうのですが、現在は高齢の単身世帯が増加したことで、死後1週間以上、遺体が発見されないケースを孤独死と呼ぶことが多くなっているようです。
先に国が「在宅」を奨励していると述べましたが、「在宅」死の半数が孤独死など、死亡した原因がわからない「異状死」として扱われているといいます。
内閣府発行の「高齢者の健康に関する意識調査」によると、孤独死について、身近な問題と「とても感じる」、あるいは「まあ感じる」と答えた人は、独居世帯において45.4%にも上ったといいます。
高齢者が人間らしい最期を迎えられるホームホスピスって?
こうした中で、現在注目を集めているのが、終末期の高齢者が生活する「ホームホスピス」と呼ばれる、ケア付き共同住宅です。
これは、民間のNPOなどが空き家を活用して運営、自宅と近い雰囲気で、介護や医療的なケアを提供するというもの。
死期が近くなっても病院へ搬送はせず、最期まで看取るのが、認知症グループホームなどこれまでの介護施設との違いです。
このホームホスピスは、2004年宮崎市で立ち上げられた「かあさんの家」が始まりで、現在は全国25ヵ所で運営が行われています。
ホームホスピスは、普通の民家をそのまま使っているところも多いです。たとえば、ゴミ捨てで顔を合わせたり、道で出会って挨拶を交わすばかりか、外部の人が「家」を訪れ食事作りを手伝ったり、庭仕事などもするのです。
そうした中で、看護師が医療的ケアに従事しており、定期的に回診を行うなど、高齢者施設として必要な機能は揃えています。
「施設に収容」ではなく、運営側はあくまで共同生活を送る手助けをすることで、高齢者がより人間らしい最後を迎えられるような取り組みを行っているのです。
こうしたホームホスピスのような形態の施設は、今後の「超ソロ社会」において、大きな意味を持っていくことは間違いありません。
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2020年9月7日 制定