介護の仕事をしていると、いろいろな悩みや不安に直面することもあるのではないでしょうか?
今回は、25歳で介護業界へ飛び込み、13年目を迎えるベテラン介護士・すももさん(@KaigomuraAcad)にインタビュー。現在はグループホームの管理者、そしてエリアマネージャーとして活躍されているすももさんに、介護の仕事を始めた新人時代について振り返ってもらいました。
当時の自分へ伝えたいのは「もっと戦略的に動くべき」ということ。介護職における戦略的な動きとはどんなものなのか。現役介護士の方必見です!
ブラック企業から目指した介護業界
まず、すももさんが介護業界を目指したきっかけを教えていただけますか?
前職は食品製造業なんです。例えば仕事が終わって朝4時くらいまで居酒屋で飲んで、そのまま仕事に行ったりしていました。

すもも
いわゆるブラック企業といいますか、体育会系でした。本当は帰りたかったのですが、断れなかったですね…。
先輩や上司に相談すると「体を壊して一人前!」と言われ、驚愕しました。その後、人間関係がうまくいかなくなり退職を決意しました。メニエール病も発症しましたし、今考えるとストレスが強かったのだと思います。

すもも

最初から介護の仕事をしていたわけではなかったのですね。
そうなんです。それから3ヵ月くらいは無職で、就職活動を行っていました。そこで強烈に感じたことは「自分には誇れる知識や技術が何も無い」ってことです。

すもも
それまでの仕事で身に着けたスキルは転職活動には活かせなかったということですか?
そうです。社会人になって約5年経っていましたが、これは恐怖に近かったですね。
次の仕事は、資格が必要になって仕事に困らない業界に入りたいと意識するようになりました。

すもも
そうなんです。介護の仕事は給料が安いと聞いていましたが、前職のように身体を壊してしまうリスクを考えると当時は大した問題じゃなかったですね。
とにかく資格がほしいという思いが強くて気がついたら面接していました(笑)
あと、私が長男ってことも理由としては大きいです。古い考え方かもしれないですが、「私が親の面倒見なきゃ」って思いもありましたね。

すもも
ブラック企業から介護業界へ飛び込んだ自分に対して、何か伝えられるとしたらどんなことを伝えますか?
特にないですね(笑)そのまま突っ走れ!って感じです。

すもも
前職では人間関係で失敗していたので、転職する際は自分の何がダメだったのか、甘えはなかったのか、相手の立場だったらどう思っていたかなど、過去失敗した場面ごとにいろいろと考えました。

すもも
前職の失敗を繰り返さないように、ということですね。
やはり人間関係で失敗することが一番辛かったからですね…。
この反省を活かし、しっかり分析したうえで転職に臨みました。この作業は正解でしたね。

すもも
人間関係を上手く築いている人たちは知識や技術だけじゃなかったってことですね。
コミュニケーション能力が高いとか、仕事以外の知識が豊富とか、何かしら+αが多かったんです。

すもも
確かにそうかもしれません。自分の武器を持っておくことは大切ですよね。
嫌う人とかも中にはいますけど、例えば上司へのヨイショとかも立派なスキルの一つですよね。

すもも
確かにヨイショできる人って世渡り上手だな~って思います(笑)
転職後は人間関係で困ったことはありませんでしたか?

すもも
取締役と揉めたことがあって、落ち込んでいた時期が1年くらいあったんです。
辞めるか辞めないかを悩んでいる時期って誰でもあると思いますが、その間の自分の成長まで止めちゃいけないんですよね。
1年間、特に何かにチャレンジするわけでもなく、勉強もせず無駄に仕事だけやって過ごしていました。もったいなかったなあと思います。

すもも
新人時代に足りなかった戦略的思考
失敗を分析をしてから転職されたということですが、新人時代に戻ったとしたらやりたいことはありますか?
新人時代の私は体だけ使って頭を使っていなかったので、もっと戦略的に考えればよかったなと思いますね(笑)

すもも
例えば、自分が他のスタッフに介助に行ってほしいとき
「私はAさんとBさんとCさん行きますので、○○さんはDさんお願いできますか?」みたいなやり取りをするわけです。
これだけ聞くと「なんで自分はこんなに頑張らないといけないの!?」って怒る人が多いと思うんです。しかも「自分から多くの業務を申し出ているのはなんで?」って。

すもも
他のスタッフ1名に対して、自分は3名分ということですよね。
確かにそうなります。でも考え方を変えると、日頃から人より多く動いておけば、いざ他のスタッフを動かしたいときにお願いしやすくなるんです。
だっていつも自分は人の倍以上頑張っているわけですから。

すもも
確かに相手からしても「いつも頑張っているから、今度は私が頑張ろう」という思考になりそうですね。
「自分が誰かを動かしたい時には遠慮なく指示を出せる圧倒的仕事量の差をつくり、頼られ信用されて常に職場で優位に立っておきたい」
って考えると、なんで自分だけこんなに頑張って…とはならないんです。
いざと言うとき、遠慮なく誰にでも自由に指示が出せて、しかも相手はこっちのことを普段から認めているから超協力的。
こんな結果になるのであれば、上記の頑張りなんてお釣りがくるほどです。

すもも
自分のことを認めてもらっておく環境をつくっておくことが大切ですね。
正論や理想論でぶつかっても、結果的に遠回りしていることって多いんですよね。
そのときどきでの最適解を冷静に判断できていれば、私は今もう少し上の立場にいて、自分の理想とする会社にもっと近づけていたと思います。
まだまだ道半ばですね(笑)

すもも
介護士に必要なのは思考展開術
これから介護職を目指す方にアドバイスをするのであれば、どんなことを伝えますか?
介護士だからといって、介護の知識や技術だけを学び続けないように注意してほしいです。

すもも
例えば、あなたが介護の高い知識や技術を習得していたとします。
とてもすごいことですが、世の中は「それ、どこにいても実践できますか?」という見方がほとんどです。
知識や技術を実践するには、実践するための土台をつくる必要があります。
多くの方は土台を作れずに先輩や上司とぶつかってしまい、悩み苦しんで実力を発揮できないでいます。
つまり、知識や技術だけを学んでいても行き止まりなんです。

すもも
そういうことです!
あと、もうひとつあります。
たとえば利用者が車椅子のフットレストで皮膚剥離をしたとします。
事故対策に「注意する」とかありますけど、これってあまり意味がありません。
そもそも、フットレストにあたっても怪我しないように、フットレストにカバーをすれば注意不足でも今後怪我をすることはありませんよね。
こういったように、考え方に変化をつけることが大切です。
本当に介護士が学ばないといけないことは思考展開術。「考え方」の方です。

すもも
柔軟な発想であらゆることに対処していく必要がありますね。
どのように「考え方」を身につけていくべきでしょうか?
「考え方」を学ぶにはいろいろな本を手にとって読んだり、たくさん人の話を聞いてみたりしてください。
近くに上手くいっている人がいれば、その人の考え方を聞いてみるのもいいですね。
自分より実力のある人がいれば、側にいてください。とても勉強になると思います。体も鍛えることができますよね、もちろん頭も鍛えることができます。
「現場が好き」「利用者が好き」という思いは大切ですが、だからといって同じことをやっていてもいつか行き詰ります。
考え方はあなたを助けてくれます。考え方を豊かにして、ぜひ楽しい職場ライフをすごしてください。

すもも

貴重なお話ありがとうございました。
これからも頑張ってください!