肝炎は、肝臓がんにも至る病。世界で患者数20億人とも
自覚症状がなくても要注意。他人事と思わず健診を
先日の7月28日は、WHO(世界保健機関)が定めた、「世界肝炎デー」という特別な日となっていました。
B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスなどがあり、どちらも110万人~140万人、190万人~230万人の患者がいるとされます。
そして、それだけ感染者が多いにも関わらず、大切な診断を受けていない患者、それがそれぞれ100万人を超えているのではないかと考えられています。
肝臓がんという死に至る病のうち、B型肝炎は10%~20%程度、C型肝炎は60%程度が、その原因となっているとされています。
原発性肝臓がん患者の統計を取ってみると、そのうち約80%が、ウイルス感染をきっかけに肝臓がんに罹患。
それだけ、このウイルスは怖いものなのですが、認知度が高くありません。
世界肝炎デーでは、このあまり知られていない病気に対しての啓発を行っていきたいと考えています。
命を脅かし、損害を受けるのに対して、未診断の人も多く認知度がいまだ高くないからです。
診断されていないのであれば、治療につなげることもできず、手遅れになるまで放置されるということが起こりえます。
B型肝炎ウイルスに感染している人は、世界を視野に入れると約20億人とも言われており、なおかつ自覚症状がないのが現実です。他人事と思わず、しっかりと受診していくことが大切です。
肝炎にかかっても、医療費の助成によって月額の負担は2万円程度
自治体では、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス双方に対して、検査の補助制度を導入しており、20歳以上の方が対象となっています。
初回は無料ということもあり、検査は血液を採取するだけですぐに終わるため、それほど手間はかかりません。
あとは、認知度の問題と意識の問題です。
万が一感染してしまった場合は、飲み薬によっての治療になります。B型肝炎ウイルスは強力なウイルス治療薬の登場である程度まで予後が良くなります。そしてC型肝炎ウイルスは、長期間の服薬が必要です。
医療費の助成もあるので、自己負担は月2万円程度。
これが肝臓がんへと悪化すれば、高額療養費制度の上限まで達することを考えると、未然に予防しておくことがベストでしょう。
それに、月2万の負担といっても、残りは公費、すなわち税金です。
できる限り感染前に予防して、感染後は早期の駆除が求められます。
命を脅かすリスクがひそんでいるので、国や厚生労働省も積極的に啓発に参加していく必要があります。
日本人の肝臓がんにおける死亡率のデータをチェック
肝臓がんの死亡者数は、肺がん、胃がん、大腸がんに次いで4位
国立がん研究センターの2014年のデータを見てみると、がんで死亡した日本人は年間約36万人。
そのうち男性が21.8万人で女性が14.9万人です。
がん全体を見ても、36万人もの人が亡くなっているのですが、死亡数が多い順に見ていくと、男性の場合、肺がん、胃がん、大腸がんについで、第4位に肝臓がんがランクインしています。
ガンの中でも非常にメジャーで、かかりやすい部位だということがわかります。
| 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 男性 | 肺 | 胃 | 大腸 | 肝臓 | 膵臓 |
| 女性 | 大腸 | 肺 | 胃 | 膵臓 | 乳房 |
| 男女計 | 肺 | 大腸 | 胃 | 膵臓 | 肝臓 |
また、一般社団法人日本肝臓学会も「肝がん白書」を発表しています。
それによると、日本においては肝臓がんになるその背景にはHCV、すなわちC型肝炎ウイルスが大きく作用していることがわかります。
治療期間も長くやっかいな状態ですが、統計の推移を見てみると、C型肝炎ウイルスは罹患の絶対数こそ多いものの、徐々に駆逐されつつあります。
アルコールの過度の摂取だけでなく、ウイルス感染による肝炎の罹患が増加
肝臓がんは年間3万人もの命を奪う深刻な病気です。
肝炎は、アルコールの過度の飲酒、免疫力の低下など、生活習慣や基礎体力の問題もあるのですが、ウイルスによって外部から感染して大きなダメージを受けることも多いのです。
とくに、日本ではこれまで見てきたB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスによって引き起こされるケースが多くなっています。
B型肝炎ウイルスは、血液などを媒介として感染する傾向があります。
昔は母子感染なども多かったのですが、ワクチンのおかげでほぼなくなりつつあります。
衛生もしっかりしているので、医療現場での感染もなくなってきました。
性交渉による感染なども増えつつありますが、ウイルス性肝炎は予防できる疾患です。
C型肝炎ウイルスは、こちらもB型肝炎ウイルスと同様、血液等の体液からが感染ルートです。
昔は輸血から感染することが多く、社会問題となりつつありました。
ですが、輸血にまつわる環境が改善され、そうしたことは激減しています。
性交渉による感染は少ない反面、覚醒剤、タトゥー、ピアスなどの行為において、衛生的でない扱いをすることによって感染するケースが多くなっていることがわかっています。

高齢者ほどワクチン接種率が低い!?
ワクチンは最も効果的…でも、いまだ接種率は低く
とくにB型肝炎においてはワクチン接種が有効です。
国や厚生労働省も、ワクチン接種を積極的に推奨していますが、いまだ接種率は低いまま。
とくに高齢者は命の危険があるにもかかわらず、10%~20%の接種率となっています。
全体でも5割を切っており、成人~高齢者において、接種率が著しく低いことが課題となっています。

いま、テレビなどでは健康番組が非常に人気ですが、あるのはがんの予防やダイエットなど、センセーショナルな内容ばかりで、あまり肝炎ウイルスの深刻さ・重要性については周知されていないのが実態ではないでしょうか。
肝炎に対するリテラシーを高める必要性が求められる
医療・健康に関するリテラシーを高めるためには、公的機関の情報が有益です。国や厚生労働省、国立がん研究所などからも情報が発信されているので、そうした公的機関の情報を参照しましょう。
とくにがんに関しては、保険診療でまかなえる標準治療がベストであるということをしっかり理解しておく必要があります。
代替医療や水素水など、難病に悩む人をターゲットにした怪しげな商品が跋扈していますが、患者や民間人の側もリテラシーを高めていく必要があります。
なにより、日本の治験状況は優れており、確実に効果があるもののみ保険適用されるので、民間療法に頼るのではなく医療を信じてケアにあたる必要があります。
世界肝炎デーを契機として、肝臓がんやウイルス、そしてワクチンの接種状況の低さについて見てきました。
肝臓がんのほとんどが、肝炎のウイルスによって発症します。
肝臓がんを避けるためにも、予防接種や検査は欠かせません。
ウイルスをワクチンで予防することによって、発症をおさえることができるのが肝臓がんなのです。
とくに高齢者のいるご家庭では、予防接種を検討する価値があります。
ワクチン接種に行きましょう。
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2020年9月7日 制定