高齢者で夜中に足がつる人は要注意!
高齢者のうち3割は日常的に足をつっていることが判明
株式会社NEXERによるアンケートによれば、60代以上の過半数が年に1回以上、足をつる経験をしており、頻度の割合としては「ほぼ毎日」が3%、「週に2~3回」が7%、「月に数回」18%、「年に数回」が35%という結果となっています。
ほぼ日常的に足をつる人は60代以上の約3割に上っており、高齢世代で足をつる人は多いという実情を示すアンケート結果であると言えるでしょう。

特に高齢者の場合、夏の時期、それも寝ている時に急に足がつり、その痛みで目が覚めるというケースも多いと言われています。何度も夜中に足がつってしまい、そのせいで睡眠不足になってしまう、ということも少なくないのです。
なぜ、足がつってしまうのでしょうか?私たちは普段、脳が指令を出して筋肉を収縮させることで体を動かしています。
しかし、脳が何も指令を出していないのにもかかわらず、筋肉が異常なほどに収縮や痙攣をしてしまうことがあり、それにより「足がつる」という状態が起きてしまうのです。
夏の間に起こりやすいのは、冷房による体の冷え、暑さにより外出を控えることによって起こる運動不足、そして電解質異常などが起こりやすくなり、より足がつりやすくなる傾向があります。
「足がつる」と聞くと、「放っておけば治るし、大したことはないだろう」と思われる方もいるでしょう。しかし、「(足をつることが)重病の前触れかもしれない」と指摘する専門医も多く、実は決して軽視はできないのです。
足をつるきっかけは筋肉の異常興奮
先ほど夏場に足がつる原因のひとつとして「電解質異常」を挙げましたが、電解質とは、血液の中にあるカルシウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルイオンのことを指します。
ミネラルは筋肉や神経の働きを調整しており、もし何らかの要因によりミネラルバランスが崩れてしまうと、筋肉に異常興奮を引き起こしやすくなり、足がつりやすくなると考えられているのです。
ミネラルは無機質とも言われ、体が必要とする量はわずかですが、筋肉の働きをはじめ、体の至るところで作用する重要な栄養素です。ミネラルは体内で合成することができないので、主に食事から取り入れることになります。
ただし、ミネラルの摂り過ぎも体調不良につながるので注意が必要。普段の食事の中で、バランスを保ちながら摂取していくことが大事になると言えるでしょう。
ほとんどのミネラルは食べ物の中に少量ずつ入っているので、通常は摂りすぎるということは起こりません。ただ、塩と一緒に存在していることの多いナトリウムは、過剰摂取しやすいので注意が必要。摂りすぎると、高血圧症などの原因にもなります。
実はこわい「電解質異常」の原因と症状って?
夏に足をよくつってしまうのは脱水や発汗によるもの
筋肉の収縮や痙攣を防ぐ上で重要になるミネラルバランスですが、ちょっとしたことで乱れが生じます。
その代表例が、発汗や脱水症状です。
発汗が増えると、一緒にミネラルも排出されてしまうため、暑い夏場は、まさにミネラルのバランスが崩れやすい時期となります。
日本人はカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などの摂取量が少ないと言われていますが、夏場はさらに不足しがちになると言えるでしょう。
特に高齢者の場合、自宅にエアコンが設置されているのに、電気代がもったいないという理由で、それを使わないという人がたくさんいます。
「みずほ情報総研」の調査(東京電力の管轄内に住む約960人を対象)によると、「エアコンを使用せずにうちわや扇風機を使うなど、節電を意識した行動をとっている」と答えた人の割合は、20代は18%、30~50代は約30%ほどだったのに対し、60代で35%、70代では39%と年代が上がるほど高くなっていました。

高齢になるにつれて、節電を理由にエアコンを使わず、暑い中で汗をかいている人が多いわけです。そうなると当然、汗とともにミネラルが流れやすくなってしまい、それだけ足がつりやすくなってしまいます。
蒸し暑い場所でどんどん汗をかき、それによってミネラルバランスが崩れ、電解質異常が起きやすくなってしまう…これが夏に足をつる人が多い大きな原因となっているわけです。
ミネラル不足はさまざまな病気につながる
体内のミネラルが不足し、ミネラルバランスが崩れるようになると、足がつりやすくなるだけではなく、さまざまな病気が生じるリスクが高まります。
例えば、日本人に最も不足しているミネラルのひとつと言われるカルシウムは、99%が骨と歯に、残り1%は血液、筋肉、体液、神経などに存在し、神経伝達物質の分泌や筋肉の収縮を促している栄養素です。
カルシウムが不足すると、「骨粗しょう症」、「自律神経失調症」などを引き起こしやすくなります。
また、鉄分は高齢者に不足しやすいと言われていますが、足りなくなると貧血になるほか、「疲労・倦怠感」や「消化不良」、「神経過敏」などの症状が現れるようになるので気をつけねばなりません。
さらに、マグネシウムが不足すると虚血性心疾患や動脈硬化症のリスクが高まり、亜鉛が不足すると「味覚・嗅覚異常」や「神経障害」「前立腺肥大」などの症状が起こりやすくなります。
ほかにも不足することで心身に重要な影響を与えるミネラルは多く、食生活の中で過不足なく摂取していくことが重要です。
ミネラルが過度に不足すると、それによって引き起こされる病気の症状が重症化し、心停止に陥ることもあります。
電解質異常が認知症につながる!?
早期発見、治療で認知症状は改善可能
またカルシウムやカリウム、ナトリウムなどの電解質は、神経の情報伝達が正常に機能する上でも欠かせません。ミネラルバランスが崩れることで、場合によっては認知症の症状が出ることもあるのです。
例えば、代謝性疾患(代謝の動きが阻害されて生じる病気)は電解質異常を原因として起こりますが、言動に異常が生じるなどの認知症状が生じることがあります。

ただ、このタイプの認知症は、医師から適切な治療を受けることで症状の回復が期待できる「治せる認知症」です。
早い段階で医師の診察・治療を受ければ、症状の軽いうちに正常値になり、認知症の症状を解消することもできるので、早期発見、早期治療が大切だと言えます。
夏場はミネラルバランスが崩れやすい時期ですが、それを原因とする認知症の症状もそれだけ起こりやすいわけです。
認知症の症状は本人が自覚しにくい面もあるので、同居する家族や介護者の方が早めに異変に気づき、かかりつけ医に相談するなどして対応していく必要もあります。
特に要介護状態の高齢者の場合、認知症の症状が出ると介護者の介護負担が大きくなるので、早期に治療、改善していくことが重要です。
ミネラルバランスを正常にする対策法は?
人間を含む細胞生物の生成は、基本的にミネラルがなければ成立しません。
「あらゆる病気の原因にミネラルの欠乏がある」と主張する研究報告もあり、ミネラルバランスをきちんと整えることは、生きていく上で欠かせないことだと言えます。
実際、ミネラルの不足によって足がよくつる人は、動脈硬化や脳梗塞などの血管の病気や糖尿病が潜んでいる恐れもあるので、あまりに頻繁につるようなら主治医に相談すると良いでしょう。
また、先ほども述べましたが、ミネラルは体内で作ることができないため、それを含む食材を摂取する必要があります。
普段の食事の中に、バランスよくさまざまな食品を取り入れていくことが望ましいですが、筋肉の収縮や痙攣などに深く関わるカルシウムとマグネシウムを豊富に含むのは「ごま」と「ひじき」です。
ミネラルは熱に強いので、炒め物やお味噌汁など加熱した調理法でも問題ありません。
特に高齢者はもともと体液量が少なく、暑いからと水(真水)を飲むだけでは、発汗が進んでミネラルの排出がさらに進むだけです。
3食の食事でミネラルをしっかり摂取することが必要になります。
今回は夏場に多い「足がつる」という症状を取り上げ、その背景にある電解質異常の問題について考えてきました。足がつる症状は誰にでもあることですが、高齢者の場合、楽観は危険かもしれません。
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2020年9月7日 制定