岡山市では認知症を学ぶ研修や、スキル評価・スキルアップのための支援が実施されている
岡山市は特に、研修制度等を通して認知症を抱えた方を地域で支えていくことに注力しています。
また、「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」を導入し、介護職員の実践的なキャリアアップの仕組み化を図っています。
ここでは、その詳細を見ていきましょう。
まずは、認知症介護に関係する各種研修制度についてです。
例えば、認知症の方への介護については次のような研修が実施されています。
- 認知症介護実践研修(実践者研修)
- 認知症介護実践研修(実践リーダー研修)
- 岡山市認知症介護基礎研修
- 認知症対応型サービス事業管理者等養成研修
- フォローアップ研修
なお、研修によって受講料の有無が異なりますので、詳しくは市の公式ホームページなどをご確認ください。
介護現場で、特に認知症の方との関わりに関心を持っている方は、ぜひ検討してみてください。
続いて、「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」を紹介します。
これは、厚生労働省介護職員資質向上促進事業を活用した人材育成プログラムです。全国共通の評価基準を活用して、介護職員の実践面でのスキルを評価し、スキルレベルを認定するというのが主な内容です。
この制度の特徴は、介護職員がレベル認定を取得するためには、別の介護職員による評価を受けなくてはならない、という点です。評価する担当者は「アセッサー」と呼ばれ、「アセッサー講習」を受けなくてはなりません。「アセッサー」は、現場の実践的なスキルを適切に評価し、それを根拠をもって、この制度の事務局に伝えなくてはならないのです。
この制度を利用することで、事業所や施設という単位よりも広い視野から、自分がどの位置にいるのかを客観的に判断することができます。また「アセッサー」として、介護職員自身が周囲の職員のスキルアップをリードしていくことができます。
評価者(アセッサー)の講習費用は2万2,810円で、受講料の支援として受講者の1人当たり2万円の補助金を交付します。
このように、介護について学ぶための環境・実力が評価される環境が充実している岡山市。介護職員としてステップアップしていきたいと考えている方はぜひ制度についても調べてみてください。
岡山市は総人口が緩やかに減少するなかで高齢化が進行。介護人材の底上げが目下の課題

出典:「岡山市の現状」(岡山市)
岡山市は、2022年10月時点で人口が71万9,437人です。そのうち、高齢者数は18万7,469人、高齢化率は26.8%となっています。
これは、県内の市町村の中で最も低い高齢化率である他、全国平均と比べても低い数値です。ちなみに、高齢化率の全国平均は、同じく2022年10月時点で29.0%でした。
岡山市の人口は戦後一貫して増加し、高度経済成長期には、周辺市町村との合併が進んだことなどの影響から1975年時点で人口が50 万人を超え、2007年には推計人口が70万人を突破したことで2009年4月に政令指定都市へと移行しました。
とはいえ、岡山市の総人口は2018年にピークを迎え、以降は緩やかに減少しています。全国平均ほどのスピード感ではないものの、今後も少子高齢化は進行していく見通しです。
岡山市の人口は2045年には68万3,000人となり、2020年から4万人減少すると予測されています。
その間、少子高齢化は確実に進行し、年齢構造は大きく変化します。
年少人口は、2010年の10万175人(14.3%)から、2040年には8万2,000人(11.7%)となり、2.8ポイント減少。
生産年齢人口は2010年の45万0,108人(64.2%)から、2040年には39万7,000人(57.0%)となり、7.wポイント低くなります。
高齢者人口は、2010年には21.6%、2015年には24.7%でした。将来的には、2040年に31.3%になると予測されています。
また、要支援・要介護認定者数は、2022年9月時点で4万1,978人でした。これが2025年には4万3,000人以上に増えると予想されています。
ちなみに、2025年、団塊世代が一気に後期高齢者となるため、それに比例して要介護認定や認知症の高齢者の数は増えると予想されています。
岡山市では、75歳以上の高齢者世帯数が2030年まで増加を続けると推計されています。特に2025年頃、団塊世代が一気に後期高齢者になっていきます。介護職の獲得はどの施設でも緊急度の高い課題となっているのです。