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富山市の介護求人事情

富山県は、介護職員として働く方や介護職員志望者に対してさまざまな支援を用意しています。

それぞれ、くわしく紹介してきますね。

まずは、「介護移住応援事業」を紹介しましょう。

これは、首都圏在住で、かつ介護職に従事中だったり介護職を目指していたりする人が、富山市への移住を検討している場合、市が支援するというものです。

例えば、都内から実際に移住した人や、富山市内の事業所の話も同時に聞くことができる移住セミナーを開催しています。

また、実際に富山市で保育園や職場見学、住居などを見学して、移住を体験できるツアーなども行われているのです。

地方に移住を考えるとき、一番ネックになってくるのが仕事ですよね。

地方に転職すると、給与面で首都圏と格差があることが多く、移住を決断できないということが多々あるでしょう。

地方都市では、全体的な人口減少も避けられない問題となっています。

市側としても、移住する人には、住まい、仕事、生活環境などの個別の細かい対応をしているのです。

この事業により、働き手と市側の想いがうまくマッチングすれば、人材不足問題を軽減できると期待されています。

次に、「富山市介護職場環境改善補助事業」を紹介しましょう。

これは、介護サービス事業所が良質な介護サービスの提供への取り組みを行っている場合、それを評価するインセンティブ（やる気を与える）の仕組みです。

評価として数字に表すのが難しい介護職員の仕事。

サービスを数値化し、職員のモチベーションアップと介護人材の確保、職場環境の改善など目的としています。

例えば、富山市では2018年４月から、「富山市介護福祉士実務者研修受講費用補助事業」という事業を開始しています。

これは、事業所勤務の介護職員が、通信制の介護福祉士実務者研修の受講を終了した後に、市が事業所に受講費用を最大10万円補助するものです。

介護職員として働く方は資格を持っていた方が、仕事の幅は間違いなく広がります。

しかし、資格を取得するための研修費用をネックに感じて資格を取得しない人も少なくありません。

そのような人にとって、負担を軽減させられるこの制度は非常に活用しがいのあるものと言えるでしょう。

富山県の実施した「富山県人口移動調査」によると、2023年の富山市の人口は40万6,815人でした。

まずは、ここに至るまでの人口の推移を見てみましょう。

国勢調査によると富山市の人口は、2000年頃までは増加傾向で、その後はほぼ横ばいの傾向で推移しています。

ちなみに、第１次ベビーブームの後1950年に、合併前の旧市町村を合わせた人口が初めて30万人を超え、第２次ベビーブームで人口の急増があり、1985年には人口40万人を突破しました。

続いて、富山市の年齢３区分別人口を見てみましょう。

2010年の国勢調査によると、０～14歳の年少人口が５万5,872人（13.3％）、15～64歳人口の生産年齢人口が26万790人（62.2％）、65歳以上の老年人口が10万2,601人（24.5％）でした。

構成比では、富山県全体の年少人口13.0％、生産年齢人口60.8％、老年人口26.2％に比べ若い世代がやや多い状態でした。

富山市の将来人口推計では、2025年には総人口が40万4,948人まで下降すると予測されています。

また、2023年の65歳以上の高齢者人口は12万2,575人、高齢化率は30.1％でした。

今後、高齢化率は2035年には32.9％、2045年には37.0%になると予測されています。

そのなかでも注目したいのが一人暮らしの高齢者世帯です。

年々増えており、2010年度には約１万3000世帯でしたが、2025年には約２万1,000世帯、2040年には約２万4,000世帯まで増えるという予測も。

一人暮らしの高齢者の自立した生活をサポートするため、富山市では介護予防策にも積極的です。

また、特に着目すべきなのは、高齢者が増加するなかで認知症高齢者も増えているということです。

日本は、2025年に高齢者の５人に１人の730万人が認知症になることが推計されています。

このような状況において、急速に高齢化が進行しつつある富山市でも、認知症対策が求められています。

ここまで解説してきたように、高齢化が進行しつつある富山県では、今後も介護職員のニーズは拡大していくでしょう。

高齢化社会が本格的に到来する前に、資格を取得しておいたり実務経験をつんでおいたりしたならば、実際に高齢化が進んだときにも介護職員として存分に活躍できると考えられます。