平均寿命の延伸は医療や健康意識の向上が要因
日本人の平均寿命が過去最長を更新
7月30日、厚生労働省は2020年の簡易生命表を公表しました。
その統計によると、日本人の平均寿命は、女性が87.74歳(前年比0.30増)、男性が81.64歳(前年比0.22増)で、男女ともに過去最長を記録。
東日本大震災の発生以来、9年連続での延伸となりました。
政府は、新型コロナウイルス感染症による影響があるものの、医療技術の向上や、国民の健康意識の高まりが平均寿命が延びた要因だと見解を示しています。
日本人の平均寿命を世界と比較すると、男性は香港、スイスに次ぐ3位、女性は香港に次ぐ2位と、引き続きトップレベルの長寿大国だと言えます。
健康寿命も延伸している
平均寿命の延伸が進む中、近年言われているのが健康寿命の重要性です。
「平均寿命」とは、0歳時点での平均余命のこと。
0歳の時点で、何歳まで生きられるかを統計的に表しています。
一方、健康寿命は、世界保健機関(WHO)が2000年に提唱した指標です。
日常生活が制限されることなく、健康的に過ごすことができる期間のことをいいます。
日本人は健康寿命も延伸しており、男性72.1歳で、女性74.8歳(2016年)です。

要介護度をもとに算出した健康寿命では、長野県が男女共に4年連続1位となりました。男性が81.1歳で、女性が84.9歳と全国平均を上回っています。
県は健康寿命が長いことの要因として、「高齢者の就業率やボランティア活動率が高いこと」「健康ボランティアによる自主的な健康づくりへの取り組みが活発なこと」「医師や保健師、管理栄養士など専門職による地域での活発な保健医療活動」を挙げています。
政府は2040年までに健康寿命を「3年」延伸させる
厚労省の推進する「スマート・ライフ・プロジェクト」が開始
「スマート・ライフ・プロジェクト」とは、「健康寿命をのばそう。」をスローガンに国が提案する国民運動です。
国民の生活習慣の改善や健康寿命を延ばすことを目的としており、2011年2月に厚生省が開始しました。元気で健康に楽しく毎日が送れることを推進しています。具体的には以下の4つのテーマがあります。
- 運動…毎日プラス10分の身体運動
- 食生活…1日あと70gの野菜をプラス
- 禁煙…禁煙でたばこの煙をマイナス
- 健診・検診の受診…定期的に自分を知る
「スマート・ライフ・プロジェクト」を通して、2040年までに健康寿命を男女ともに3年以上延伸し(2016年比)、75歳以上(具体的な目標は男性:75.14歳以上、女性:77.79歳以上)にすることを目指しています。
このプロジェクトには、6,402の企業・団体が賛同しています(2021年6月30日現在)。
世界禁煙デー記念イベントを開催
健康寿命の延伸のためには、上記のテーマにあるように「禁煙」が重要です。
厚労省では、「スマート・ライフ・プロジェクト」の一環として、世界禁煙デー記念イベントを開催しています。
WHOが定めた5月31日の世界禁煙デーに合わせて、その日から始まる1週間を「禁煙週間」として、禁煙の啓発に取り組んでいます。
その関連イベントでは、国立がん研究センターによる『新型コロナウイルス感染症とたばこに関する世論調査』の結果が公表されました。
喫煙が新型コロナウイルス感染症の重篤な疾患あるいは死亡リスクを上昇させることは、すでにWHOの研究でも明らかになっています。
国民一人ひとりの意識を高めることが鍵に
「健康余命」も延伸している
健康寿命を延ばす取り組みの結果、健康寿命は着実に延伸しています。しかし、平均寿命と健康寿命の差は、未だに10歳前後もあるというのが現状です。
そこで、65歳以上の人が健康でいられる残りの期間を示した「健康余命」が注目されています。
ニッセイ基礎研究所の資料によると、2019年の65歳時点の平均余命は、男性が19.8年、女性が24.6年。
健康余命は、男性が14.4年、女性16.7年となっています。
2001年以降、平均余命と健康余命はいずれも延伸しており、その差は短縮傾向にあります。これはさまざまな国の政策や取り組みで、高齢者の健康状態の改善が認められた結果だといえます。

健康寿命の延伸を目指す自治体の取り組み
また国だけでなく、自治体でも健康寿命の延伸を図る取り組みを行っています。例えば厚生労働省が開催する「健康寿命をのばそう!アワード」では、以下のような取り組みが評価されています。
●東京都足立区での取り組み
足立区民の健康寿命は、都内平均よりも約2歳短く、特に糖尿病にかかわる医療費が23区で最多(ワースト1)でした。
そこで、糖尿病リスクを減らすために「野菜を食べよう!野菜から食べよう!」をコンセプトに、生活習慣病にならないために以下の取り組みに着手。
健康寿命が延伸し、都平均との差が縮小する成果が出ています。
- 野菜関する取り組みを行なう「あだちベジライフ協力店」の拡大
- 「野菜たっぷりメニュー」や「ベジファーストメニュー(食前にサラダを提供するなど)」を提供するあだち食の健康応援店の拡大
- 噛みごたえのある食材を使用した「かむカムメニュー」を提供する店舗・弁当店の拡大
- 北足立市場からの旬の野菜情報を、フェイスブックなどで発信
- メール・区ホームページ・フェイスブック・ツイッターなどによる、野菜の簡単レシピ発信
- 小中学校などで、野菜たっぷり献立を提供する「野菜の日」を月1回実施
- 幼稚園、保育園、小・中学校で「一口目は野菜から」の声かけを実施
●岐阜県下呂市での取り組み
下呂市は、国民健康保険加入者のうち、脳血管疾患及び高血圧で受診している割合が岐阜県42市町村中ワースト5位以内(2011〜2016年)でした。
高血圧の原因となる食塩摂取量の減少を目指し、全世代へ減塩アプローチとして以下の取り組みを実施。
その結果、Ⅰ度高血圧者、Ⅱ度高血圧以上の人の割合が減少し、高血圧や脳血管疾患の受療率が改善という成果が出ています。
- 下呂市減塩推進委員会の設置
- 下呂市減塩週間の設置
- 減塩推進協力店の認定
- ヘルスメイトによる減塩料理の開発と普及(郷土食の減塩)
- 減塩教育
- 高血圧者への家庭訪問時に減塩商品の紹介
- 減塩普及イベントの開催
- 外食・中食スマートミール認証制度への応募とその支援
自治体でも、地域住民が関心を持ち、積極的に参加してくれるような取り組みが求められています。健康寿命の延伸は、国で一丸となって本格的に取り組まなければならない課題なのです。
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2020年9月7日 制定