高齢者に外出を促す「買い物リハビリ」
全国各地で広がる「買い物リハビリ」の取り組み
全国で買い物支援と介護予防を組み合わせた「買い物リハビリ」の取り組みが始まっています。
例えば、北海道網走市も買い物リハビリを始めた自治体のひとつです。
ショッピングモールまでの移動を支援し、買い物を通して高齢者に心身ともに元気になってもらうという目的で、対象となるのは要介護手前の高齢者。
コロナ禍で高齢者は自宅にこもりがちになりました。
買い物リハビリは、外出するきっかけとなるでしょう。
買い物の動作にはリハビリとしても大きな効果があります。具体的には、歩くことや品物を取るために手を伸ばす・屈むなどの動きで全身が鍛えられます。また、献立を考えたり、店員と会話したり、支払いをしたりすることで、認知機能の改善なども期待できるのです。
さらに、花王が行った『心と体を元気にする日々の外出機会 シニア女性の買い物への意識と実態』によると、9割以上の女性が「買い物は人任せではなく自分で行きたい」と考えていることがわかっています。

自治体や地域の活性化を促す効果も
前述の花王の調査では、多くの高齢者が「買い物に出かけることが運動や老化防止にもなる」と意識していることもわかっています。
買い物リハビリによって健康な高齢者が増えることで社会保障費が抑制されるため、自治体や地域社会の活性化につながるという利点もあります。
さらに、スーパーや商業施設にとっては、買い物をする利用客が増えるので、売り上げの増加が期待できます。すなわち、買い物リハビリは地域にとっては良いことづくめなのです。
高齢者が買い物に不安を感じる要素とは
買い物に潜む危険「自動ドア」に注意
スーパーや商業施設には、注意すべき危険なエリアがあります。店舗の入り口などにある自動ドアもそのひとつです。
消費者庁が発表した自動ドアの事故に関する調査結果によると、2015〜2018年の間に計516件の事故報告がありました。その事故が起こった場所を建物用途別にみると、「商業施設」が187件(36%)と1番多いことがわかっています。
また事故の内容では、高齢者は「自動ドアにぶつかる事故」が多いようです。
歩行機能が低下すると、自分の足元や進行方向にしか意識ができず、ドアの開閉状況に気が回らない場合があります。
ほかにも知覚障がいや認知症によって視野が狭くなっていることも考えられるので、買い物をする際は十分な注意が必要です。

「セルフレジ」に戸惑う高齢者
近年、人手不足の解消や利便性向上のために、「セルフレジ」や「セミセルフレジ」を導入するスーパーが増えています。
それが高齢者が買い物をするハードルを上げている要因のひとつにもなっています。機械の操作への苦手意識や袋詰めの面倒さ、店員と会話ができない寂しさを感じる高齢者も多いようです。
KDDIが2018年に行った意識調査によると、70代女性の約半数(48.7%)が「セルフレジ決済は怖い」と感じており、支払いのシステムに抵抗がある人も少なくありません。
お店側が取り組む高齢者の買い物支援
感染症対策の「優先時間帯」は不安解消にも効果的
スーパーや商業施設が実施する新型コロナウイルス感染症予防の取り組みのひとつに、混雑緩和があります。
高齢者や妊婦、身体障がい者とその介助者が優先的に入店できる「優先時間帯」を設けたり、入場規制を設定したりするなど、利用客が安心して買い物できるような環境づくりが進められています。
買い物に不慣れな高齢者が混雑した店内で買い物をすると、焦りや戸惑いなどから事故につながる可能性もあります。優先時間帯を上手に活用して、新型コロナの感染対策と同時に、ゆとりのある買い物を心がけましょう。
また、全国スーパーマーケット協会が実施した「食品スーパーマーケットへの来店時間帯」の調査では、お昼や夕方に比べて朝(8〜10時台)の利用客が少ないことがわかっています。この時間を狙って足を運ぶのも良いでしょう。

後ろを気にせず自分のペースでお会計
セルフレジやセミセルフレジに、最初は戸惑う高齢者も、慣れてしまえば会計時間の短縮や店員の接触を最低限に抑えられるので、感染対策として良いと感じる人もたくさんいます。
一方、高齢者、障がい者や妊婦などを対象にした「ゆっくりレジ」や「思いやり優先レジ」の導入を始めるスーパーもあります。これは機械の導入ではなく、店員の気配りによるサービスで、時間や後ろを気にせず精算できるように、店員が買い物をサポートします。
支払い時に焦って手間取るストレスがなくせたり、店員との何気ない会話楽しめるなど、評判は良いようです。混雑緩和を図りながら利用客が自分のペースで買い物や支払いができるような環境づくりは、今後も店側には求められるでしょう。
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2020年9月7日 制定